細井のにっき

全部フィクションです

チョコを人んちに届けにいく楽しさ

子どもの頃はバレンタインデーの放課後が楽しみだった。

駄菓子屋でチョコを買って、友だちの家を周ってチョコを交換して歩く。

あげるのは男女関係ない。友だちと一緒に好きなだけチョコを食べてもいい日という認識だった。

おまけに夜になると、父親が会社でもらってきた義理チョコがやってくる。クリスマス、正月に次いで楽しみな日だった。

 

中学高校になると、放課後にそんなガキっぽいことはしなくなる。管理教育でおなじみの千葉の中高は厳しく、学校にお菓子をもっていくと怒られるので、外国人の英語教師(甘い)にあげたりして盛り上がることくらいだった。

 

大人になってからは、会社で義理チョコを配るようなこともせず、ぼんやりとした行事に成り下がってしまった。

 

今年のバレンタインは「豆腐の生チョコ」を作ったら、豆腐の水切りが足りなかったようで固まらなかった。

しかたなく市販のものを買って、近所の友人らにあげにいった。

今は昔と違う土地に住んでいるけど、たまたま近所に友人が何人か住んでいる。

ご近所さんというのがポイントで、チョコみたいなものを電車でわざわざあげにいったり、郵送をするというのはちょっと大げさな気がしてしまうから徒歩くらいがちょうどいい。

久しぶりに小学生の時みたいに家にいってチョコをあげることができて、懐かしい感覚に浸った。

(幼少期と違うことは、そのあと高確率で飲みにいってしまうこと)